Greeting

代表インタビュー

相互理解を深める
環境づくりに尽力

他者とのコミュニケーションのズレがなぜ起きるのかを統計学的に分析している子育て診断士として活動し、お互いの理解を深めるための活動にも力を入れています。ご利用者様とヘルパーの間に生じるちょっとした意思決定のズレにより、お互いがストレスを感じる現場を目の当たりにして介護業界に飛び込む決意をいたしました。安心安全なサービスを目指し、ご利用者様や関わる全ての人達が自分らしくいられる環境づくりを追求します。
川本 恭平
代表社員
現在の仕事や視覚障害者との関わりを教えてください。

同行援護は、視覚障害者が通院や通勤などの日常生活を送る際にサポートを行うサービスです。利用者の移動をサポートし、視覚情報を提供することで、安心して外出できるようにします。決まった曜日や時間に限定されず、月末に翌月のスケジュールが決まるのが一般的です。このサービスは仕事の一環ですが、「お互いに楽しく外出しよう」という気持ちを大切にしており、堅苦しい雰囲気ではなく、ちょっと遠出の依頼が多いのが特徴です。視覚障害者が自立した生活を送れるよう、柔軟で親しみやすい支援を提供しています。

視覚障害者と関わる中で大切にしていることは何でしょうか?

視覚障害者の方々と接する中で、大切にしていることについてお話しします。私たちは、見える世界と見えない世界の違いを理解しようと努めています。確かに、見えない世界を完全に理解することは難しいですが、その違いを認識し尊重することが重要です。 例えば、夜に支援に伺った際、真っ暗な部屋での生活に驚きました。私たちは暗闇が怖いと感じますが、利用者さんにとってはそれが日常であり、その中で普通に生活されています。この経験を通じて、視覚障害者の方々の生活スキルに感心し、尊敬の念を抱きました。 私が意識しているのは、彼らの日常に溶け込み、一緒に生活を共有することです。単に支援を提供するのではなく、共に時間を過ごすことで、私自身も新しい視点や感覚を得ることができます。これを通じて、より豊かな関係を築きたいと考えています。 私の目標は、視覚障害者の方々の世界観を広げると同時に、自分たちも新しい感覚を得ることです。彼らと共に歩むことで、お互いの理解と尊重が深まり、共に成長できることを願っています。

視覚障害者が身近な存在だからこそ感じる、社会の中での違和感や偏見などはありますか?

視覚障害者の方々と接する中で、社会の中で感じる違和感や偏見についてお話しします。例えば、駅で声をかけてくれる方がいますが、実際にはお断りすることが多いのです。これは、一駅だけの移動で座ると、降りる際に余計な時間がかかるため、立っていたいという理由からです。 周囲の方々は、白杖を見て「助けなければ」と思って声をかけてくれるのですが、それを断られると心が折れてしまうこともあるでしょう。しかし、声をかけてもらえること自体が、とても嬉しいことであり、社会の中で共に生きていると感じられます。 断るケースがあることを理解していただきながら、「いつも声をかけてくれてありがとうね」という気持ちを伝えたいです。その一言が、私たちにとって大きな励みになります。これからも気軽に声をかけ続けてほしいというメッセージを広げていければと思います。

これからの目標や挑戦したいことはありますか?

偶然か必然かわかりませんが、視覚障害の世界に出会えたことをきっかけに、その世界をもっと広げたいと考えています。とにかく、多くの視覚障害者の生の声を知りたいです。制度を変えたり、世の中を変えたりするような大きなことは考えていません。まずは目の前にいる一人の視覚障害者の手助けをしたいと思っています。そして、そこから繋がる周りの身近な視覚障害者の困りごとを解決する手助けができるようになりたいです。そんな拠り所となれる存在になれたらいいなと願っています。

視覚障害者との関わりに興味を持っている方へ伝えたいことはありますか?

視覚障害者は特別な存在ではなく、一人の人間として普通に接してもらいたいです。ただ、視覚にハンデがあるため、指を指しても見えない、物を見せてもわからない、目の前の障害物や段差に気付かないといったことがあります。そういった点に少し気遣ってもらえれば十分です。まずは難しいことを考えずに、少しでも多くの人が視覚障害者に興味を持ち、関わる人が増えると嬉しいです。そうなれば、視覚障害者が当たり前に社会に溶け込み、一緒に活動するような世の中になっていくのではないかと思います。